保育内容 Contents in childcare

少人数学級編制のびのび子ども主体の保育 少人数学級編制のびのび子ども主体の保育

 当園では緑豊かなひろびろとした環境で人間性の基礎を培うという理念のもと、教育・保育を実践しています。また手厚い職員配置(年少15:1程度、年中・年長25名:1程度)により先生と子どもたちが、しっかりと関わることで一人ひとりの性格をよく理解し、子どもたちは園内で思う存分のびのびと学べる環境にあります。近年では教育・保育要領改正により「主体的・対話的で深い学び」が重要視されるようになり、当園も令和2年度から従来のカリキュラムを子どもが主体的に学べるカリキュラムに刷新しました

 その中核として、クラスごとに皆での対話を重視して「テーマ」を決め、それに沿って活動を進める子ども主体の「プロジェクト活動」を開始しました。その「過程」は各担任が「ドキュメンテーション」により子ども達がどのようにプロジェクトを進めてきたか、そしてどのように試行錯誤し、考え、学んできたかということを考察し、写真と文章で記録し公開していきます。結果もさることながらそれにいたるまでの「過程」が重要であり、そこにこそ深い学びがあるからです

子ども主体の保育では生活や遊びと学びを対立したものととらえるのではなく融合したものととらえます。その中においてこそ子どもたちは自らすすんで基本となる生活習慣を確立しながら人との関わり方や様々なルールを体得していきます。そして、感性を豊かにしながら興味を持っていろんなことを学んでいくことで自己実現にむけその時々の状況に応じ、適切に考え判断し行動する力が身についていきます。

 当園ののびのび・子ども主体の保育とは保育者の適切な誘導・助言・援助・環境構成のもと、子どもの興味・関心に基づいて学ぶものであると考え、一人ひとりとしっかり関わりあいながらその子に合わせた学びが得られるようにするものとなっています。そのためにも手厚い職員配置と協働的な学びである「プロジェクト活動・ドキュメンテーション」、そして、その基礎となる「系統学習」、個別最適な学びである「フィールドスタディ」は三位一体で不可欠であり、また、担任だけでなくフリー・アシスタントなど全教職員が一丸となって取り組む体制をとっています。

  • 「プロジェクト活動」・「ドキュメンテーション」は「プロジェクトアプローチ」としてイタリアのレッジョ·エミリア・アプローチ、ドイツ·オランダのイエナプラン、スウェーデンのレッジョ·インスパイアで実践され、 世界的に高い評価を受けています。当園ではそれらのエッセンスを取り入れつつ、「プロジェクトアプローチ」がよりレベルの高いものとなるよう独自にアレンジし、さらに当園の園風や理念・伝統に合うようにして実践を始め、歩みだしています。
  • 子ども主体の保育は、OECD(経済協力開発機構)が発表した論文の中で報告された「科学的根拠のある世界5大幼児教育カリキュラム」において主軸となるものです。
    ※詳しくはQ&Aのページをご参照下さい。

プロジェクト活動

全学年(0~5歳児)において通常保育にプロジェクト活動を取り入れています。

プロジェクト活動はクラス単位で行うものからグループ単位・個人単位で行うものまで様々です。
また、活動期間もテーマによっては数日から数週間以上となることもあります。

担任の先生は子ども達の対話の中で興味や関心を捉え、引き出し「テーマ」を設定します。
そしてテーマにそって「何をするか、何を使ってどのようにするか」を子ども達は自由闊達な対話の中で
お互いの意見を尊重しながらたくさん考えて決定していきます。
そうして子どもの主体性から生まれる活動はとてもアクティブでイマジネーション豊かなものになります。

その試行錯誤の過程の中では「失敗」さえ重要な学びであると肯定的に捉えています。

01 各クラスでの個別製作・協働制作の様子(0~2歳児・6月)

各クラスでの協働制作の様子 各クラスでの協働制作の様子

テーマ:光と影、色彩・感触、星空など

0歳~2歳児さんは、月齢等の影響が大きく、言葉が話せる子もいれば話せない子もいます。言葉が話せる子どもからはじっくりと耳を傾け興味・関心を捉えます。まだ言葉が話せない子や十分に話せない子どもに対しては、先生が子どもの身振りや手振り、普段の行動から子どもたちの興味・関心のあることを見抜きます。そうして子どもたちの興味・関心から出発すると、子ども達はとても主体的に活動に取り組みます。

02 クラス全体の
協働制作の様子(年少児・6月)

個人制作・グループ・協働制作の様子 個人制作・グループ・協働制作の様子

テーマ:おつきさま

幼稚園に入ったばかりの年少さん。でも、先生が安心できる雰囲気をつくり、しっかり一人ひとりの意見を聞いて興味・関心を引き出してあげると、子どもたちは積極的に意見を出し合えるようになります。そうしてテーマが決まり活動が始まると、ものすごく興味を持って取り組み、協力してこんなにも素晴らしい作品ができます。しかし、一番重要なのは子ども達が主体的になれたこと、友達と協力できたこと、試行錯誤しながら考える力を養えたことなど、その「過程における学び」があったことなのです。

03 個人制作・グループ
・協働制作の様子(年中児・6月)

各クラスでの協働制作の様子 各クラスでの協働制作の様子

テーマ:おふね

年中さんは、皆で話あってテーマを決めていきます。先生も別の視点を提起したり、子ども達から意見が出やすくなるように適切に援助して対話が充実するように工夫します。テーマが決まると図鑑等でテーマに沿った内容についてじっくりと調べます。個人制作では粘土や絵など自分なりの様々な方法で表現します。またグループ・協働制作では皆で考えること、役割分担をすること、みんなで力を合わせることなど活動を通して学んでいきます。
※年中さん以上は各クラスにつき、プロジェクト活動専用の部屋があります。

04 個人制作の様子(年長児・6月)

個人制作の様子 個人制作の様子

テーマ:あまのがわ

05 グループ・協働制作の様子(年長児・6月)

グループ・協働制作の様子 グループ・協働制作の様子

テーマ:龍

年長さんは、年少さん・年中さんで培った学びを基に、クラス全体の対話の中でテーマを決め、活動の方法・内容までどんどん決めていきます。先生は対話がより深いものになるよう、違った視点や疑問点を投げかけていきます。そして、活動が始まると一人一人がとても感性豊かに個性を最大限発揮して主体的に取り組んでいきます。その後、グループ活動とクラス全体の活動にまで広がっていきます。主体的・対話的で深い学びがそこにはあります。

ドキュメンテーション

プロジェクト活動の始まりから終わりまでの過程と学びを先生のコメントと写真でわかりやすく記録し、掲示しています。
これにより、保護者の方は結果だけではなく子どもが活動の過程を通してどのように学んできたかがわかります。
それにより、子どもの学びの為の家庭との連携もより強いものになります。
また、各クラス毎にドキュメンテーションを保存しておいていつでも閲覧できるようにしていますので、
掲示期間が終わった後でも活動の過程を見ることができます。
※玄関ホールすぐ横のれんげの部屋に置いてあります。

幼稚園部

保育部

系統学習

当園では上記「プロジェクト・アプローチ」がメインとなりますが、その基礎となる必須の活動を「系統学習」として取り入れています。

  • 考える力、人の話を聴く力、対話する力を養う「ケース・スタディ(サークルタイムともいいます)」
    ※正解のない事例に対してクラス全体での対話によって意見を出し合ったり皆で考える活動

  • 知的好奇心や文字・言葉への関心を引き出す「読書活動」

  • のびのびとたくさん体を動かして遊ぶため、基礎体力の向上を図り、特に危険回避能力を鍛え、事故やけがを防ぐ体の使い方を学ぶことを主目的とする「体育活動」

  • ※年長になると上記に加え文字・数のワークを行います。

  • ※保育部(0~2歳児)や年少の初期は①のケーススタディは難しいので、「発話・発語してみようとする。」「集まってお友達の顔の表情や身振り手振りに興味をもつ。」ことから始めています。

フィールドスタディ

のびのびとした外遊び、様々なコーナーがある環境での自由遊びをしっかり行います。これらは独立して行われるものではなく、
プロジェクト活動や系統学習と相互に関連しながら一体となって学びを深めるためのものになるように位置づけています。


なぜ「自由時間・休憩時間」と呼ばず「フィールドスタディ」としたその理由は、
当園では子どもが自分で好きな場所(室内ならコーナー)に赴いて好きな遊びを通じて主体的に学んでいくことと捉えているからです。
単なる「保育者が見守っているだけの自由時間」という位置づけではなく、豊富な選択肢の中で
自らしたい遊びのできる「現場」に赴き自分で「体験」しながら「学ぶ」時間であることを根底に持っているからです。

そのため、興味・関心を引き出す環境設定や子ども自身が遊びの中で一人一人が夢中になって主体的な学びが深まるよう、
保育者も適切な誘導・助言・援助を行っています。
※登園後の教育時間開始前も同様にしています。但し全員登園するまでは室内遊びです。

  • フィールドスタディ
  • フィールドスタディ
  • フィールドスタディ
  • フィールドスタディ
  • フィールドスタディ
  • フィールドスタディ
  • フィールドスタディ
  • フィールドスタディ
  • フィールドスタディ
  • フィールドスタディ
  • フィールドスタディ
  • フィールドスタディ

教育時間終了後の活動

上記フィールドスタディの考え方と同様に活動します。園庭での遊びやコーナーがある部屋で、自分で好きな活動を選択し
自由に取り組めるようにします。預り保育において疲れている子がいたら「何もしないで休む」というのも選択の一つになります。
必ず何かをしなければならないということではありません。
「遊びたいときは遊ぶ。休みたい時は休む」というスタンスをとっています。

  • 教育時間終了後の活動
  • 教育時間終了後の活動
  • 教育時間終了後の活動
  • 教育時間終了後の活動
  • 教育時間終了後の活動
  • 教育時間終了後の活動
  • 教育時間終了後の活動
  • 教育時間終了後の活動
  • 教育時間終了後の活動
  • 教育時間終了後の活動
  • 教育時間終了後の活動
  • 教育時間終了後の活動
  • 教育時間終了後の活動